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日本初の本格的なBOOK&CAFÉのはじまり

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※この記事は、2021年4月時点の情報を掲載しています。

 

企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。

そんな一つひとつの企画の裏側に隠された「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当てお伝えする「#キカクノキッカケ」。

今回は、日本初の本格的なBOOK&CAFÉ、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(現:六本木 蔦屋書店)の企画に携わった谷口さんのインタビューをお届けします! 

今回のキカク人

谷口 貴美代さん

2003年にCCCへ中途入社、以降TSUTAYA TOKYO ROPPONGIや代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店の立ち上げに関わる。現在はCCCアートラボ(株)の取締役を担いながら銀座  蔦屋書店の副館長を務める。

ニューヨークで見つけた、お気に入りの本屋。

――はじめに、谷口さんの学生時代について教えてください。

私は小さい頃から海外の文化、とりわけ音楽や文学に興味があって、高校3年生の時にアメリカのオハイオ州に留学していました。日本人が一人もいないようなところで、アメリカの高校生としての生活を経験しました。その後大学時代は毎年ニューヨークへサマースクールに行っていました。実はこのニューヨークにいた時にお気に入りだった本屋のバーンズ&ノーブルが、私とCCC、そして今回の企画に大きく関わってくるんです。

そんな面白いことに挑戦している会社、行くしかない! 

――そんな学生時代からCCCへはどのような経緯で入社されたのでしょうか。

音楽や文学が好きだったので、最初は大手レコードショップに入社し、洋書のバイヤーをしていたんです。ある時「CCCが六本木にBOOK&CAFÉを作るらしいよ」という噂を聞いて、当時既にBOOK&CAFÉをやっていたお気に入りの本屋、バーンズ&ノーブルを思い出したんです。そんな面白いことに挑戦しようとしている会社、行くしかないと。私もぜひその企画に参加したいと思い、CCCに転職を決めました。

――企画ありきでCCCへ入社したんですね。すぐにこのプロジェクトに携わったのですか?

とても運がいいことに、転職後すぐにこの企画に携わることができました。お店のオープンまで半年を切っていた頃でしたが、実はコンセプトなどの大枠以外、まだほとんど決まっていない状態でした。実際この半年はとても過酷なもので、大変著名なクリエイターの皆さんに加え、六本木ヒルズプロジェクトの方々、そして増田社長という当時の私からすればとんでもないプロフェッショナルに囲まれながら高いクオリティを求められ続け、一切妥協のない仕事をし続ける毎日でした。

そうして生まれたキカク、『TSUTAYA TOKYO ROPPONGI』

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この企画は、2003年ROPPONGI HILLSの開業と同時にオープンした TSUTAYA TOKYO ROPPONGIのオープンプロジェクト。コンセプトは日本初のBOOK&CAFÉ。アイテムミックスのセレクト棚を作るなど、当時としては新しく画期的な店作りで東京の人気のスポットとなった。また豪華なクリエイター陣を起用し話題となった。

 

――BOOK&CAFÉはアメリカで既にバーンズ&ノーブルが実践していましたが、TSUTAYA TOKYO ROPPONGIならではのポイントは何でしょうか。

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まず、これだけ品揃えが豊富な書店は世界中を見ても本当に珍しい。仕事柄色々な国の書店や仕入先の視察に行きましたが、TSUTAYA TOKYO ROPPONGIほどのところは正直ほとんどなかったです。

またバーンズ&ノーブルはBOOK&CAFÉというコンセプトでは先駆者ですが、やはりいわゆる従来の本屋なんです。でもTSUAYA TOKYO ROPPONGIは世界で初めて本や本棚の分類を変えた。アイテムミックスの棚も総合書店ではやっていなかったんですよ。

このアイデアのキッカケは、雑誌です。雑誌というのは、色々な分野のものが一つの紙面に集められている。その雑誌作りと蔦屋書店の店舗作りは一緒なんです。これを実践したのはTSUTAYA TOKYO ROPPONGIが初めてで、この企画はCCCのターニングポイントになっていると思います。

クオリティを追い求め続けるプロフェッショナル集団。

――谷口さんが感じるCCCらしさってなんでしょうか。

絶対に妥協しないところですね。求められるクオリティの高さたるや(笑)。蔦屋書店が新しくオープンする時の朝礼では、だいたいリーダーは泣いています(笑)。色々な出来事があっても無事にオープンできたことに対して、込み上げる思いがあるんだと思います。どんな極限状態でも、いいものを作り上げたいという想いと責任感を社員みんなが持っている、そんな会社なんじゃないかなと思います。

――谷口さんがこれだけ長い間CCCで働き続けている理由はなんでしょうか。

私はやはりCCCのビジョンに共感できていることが一番の理由です。当たり前かもしれませんが、会社のトップである増田社長が一番ビジョンを体現していて、そんな社長とプロジェクトでご一緒できる機会に恵まれたことはラッキーでした。何よりもそのアドバイスが本当に的確で。印象的なのは、代官山 蔦屋書店の立ち上げの際に「かっこいいとは何か」という質問に「今の自分が背伸びした先に憧れの姿があり、それがその人にとっての『かっこいい』になる」と答えていただいたこと。今でもその一言は忘れず自分の中に持ち続けています。