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上司の無茶振りが、自分の「好き」を仕事にした。

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※この記事は、2020年12月時点の情報を掲載しています。

 

企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。

そんな一つひとつの企画の裏側に隠された、「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当て、お伝えする「#キカクノキッカケ」。

今回は、長きに渡って映画ファンから支持されている企画「発掘良品」を生み出した桃田さんのインタビューを、21卒内定者がお届けします!

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今回のキカク人

桃田 享造さん

大学生で就活に苦戦していた当時、「面白い社長がやってる会社がある」という友人のすすめをきっかけにCCCと出会う。1989年、CCCに新卒で入社。現在は、商品企画本部に所属している。上司の無茶振りがきっかけで、思いがけず自分の好きが仕事へと繋がることになった桃田さん。そんな桃田さんが、今回特集する企画「発掘良品」を立ち上げることになった経緯、企画する上で大切にしていること、そして、CCCに勤めて30年のベテランという視点から感じる「CCCらしさ」について伺いました。

 遊びに明け暮れる日々、それでも映画を観ることは欠かさなかった。

ーー映画ファン向けの企画を生み出すことになる桃田さんですが、どんな学生時代を送っていたのですか?

 大学時代は、友人と飲みに行ったり麻雀したりと、ひたすら遊び呆ける日々でしたね。ただ、そんな日々を送りながらも、映画だけは欠かさずたくさん観に行っていました。京都、大阪、神戸の名画座をまわって1日で6本観たこともあります(笑)。

 親父が映画好きで、僕もその影響を受けました。僕が生まれ育った1960年代の当時、大阪浪速区の自宅近くにはたくさんの映画館があったので、小学6年生の頃にはもうすでに映画館へ通っていました。

 そんな僕がCCCと出会ったのは、大学4年生の就活の時期です。当時のことはあまり覚えていないのですが、僕はずっとラジオ局に行きたいと思っていました。でも、全然上手くいかなくて、困ってたんです。そんなとき「桃ちゃん、面白い社長がいる会社があるから受けてみたら?」と友人が勧めてくれたのがCCCでした。

 「映画通しか知らない映画とか、たくさんあるじゃん?」

ーーそうしてCCCに入社した桃田さん。入社して20年が経とうとする頃、今回特集するキカク「発掘良品」の話が桃田さんのもとにやってくるわけですね。

 僕が入社した当時、社内では映画より音楽がリードしていました。社内でも映画に詳しい僕のような存在は珍しかったんです。そんな自分の「映画好き」が結果的にこの企画へ参加する決め手になったんですが、あくまでそれは結果論的な話で。

 ある日、当時の本部長に話があると言われて呼び出されました。そこで、 "お前、映画通だろ?" といきなり言われまして.…(笑)。 "映画通しか知らない映画とか、たくさんあるじゃん?そういうのを集めて売場に並べたら面白い売場ができるじゃん?"と。"素人には分からないような、映画通のお前らで面白い企画をやってくれ”という本部長の丸投げからこの企画がはじまりました。準備期間も短く大変なこともありましたが、「自分の好きなこと」によって社内で貴重な存在となり、期待されることはとても自信に繋がりましたし、その自信は自分の仕事に取り組む上で大きな推進力になりました。

 そうして生まれたキカク、「発掘良品

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桃田さんのお子さんが「発掘良品」の売り場に訪れた際のお写真

コンセプトは、「知る人ぞ知る面白い作品を発掘する」。

社内外から集められた映画通たちによる独自のレーティングをもとに、数万にも及ぶ作品のなかに埋もれてしまった名作映画を"発掘"し、時には廃盤となった作品を復刻してTSUTAYAに取り揃える映画ファン必見の企画。長きに渡ってファンに支持を集める「発掘良品」は、企画開始から10年以上続くTSUTAYAの名企画だ。 

 新たな価値観を創り出す、定着させる企画であること

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桃田さんのお子さんが発掘良品について書いた感想文

ーー企画を生み出す上で、桃田さんが意識しているポイントはありますか?

 僕がしているのは、商品を通じて企画を生み出すという仕事なんですが、「新しい価値観を創り出す、共感してもらう、それを定着させる」という視点がとても重要だと考えています。

 ラジオ局のJ-WAVEさんが「J-POP」という言葉を、渋谷界隈のレコード店が「渋谷系」という言葉を、新しい価値観とともに世の中に定着させていったように、僕たちTSUTAYAのマーチャンダイザーも新しい価値観を創っていかないといけない。

 「発掘良品」を企画する時も、その気持ちを大切にしました。僕たち企画チームは「知る人ぞ知る面白い映画、観たくてもなかなか観ることができない面白い映画」に着目し、映画ファンにとって全く新しい作品ジャンルを確立することを目指しました。それは、発掘良品系」とでもいうべき新しい価値観の創造です。

 また、そんな新しい価値観を創る上で、僕はいつも「顧客の視点に立って考える」という姿勢を心がけています。まずは、自分自身が顧客になる。「発掘良品」なら、自らが映画ファンの代弁者になる。こうしてはじめて「知る人ぞ知る映画を観たい」という映画ファンの想いを掴むことができます。そんな映画ファンの想いに合致する新しいフレームを設けて、新たな価値観として名前を付けて世の中に送り出す。それが映画ファンの間でやがて共感を集め、定着する。僕が考える企画の仕事とは、世の中に新たな価値観を定着させるに至るまで、その流れを作り上げることです。

  組織と人、「みんながデキるやつじゃなくていい」

ーーCCCに30年以上お勤めの桃田さんですが、最後に、そんな桃田さんだけが知る『CCCらしい一面』を教えてください。

 長い間会社が続いていると、社内にはいろんな世代の人がいますよね。僕もこの会社に入ってから30年くらい経つんですが、新入社員の頃と今とでは、会社の規模もビジネス展開も全然違います。例えば、会社の机にパソコンがないのが当たり前なんて時代もありました。

 すると、僕や僕の先輩世代と今の若い世代の社員とでは、当然ジェネレーションギャップが生まれます。パソコン操作にしても上の世代の“オジサンたち”が、若い世代と比べて慣れないことが増えてくる。 そんな多様な世代の間でも距離を取ることなく、上の世代は分からないから教えてくれと素直に伝え、若い世代はお茶目な先輩を手助けする。そういう関係性が社内で築かれているところはCCCらしいかもしれません。

 世の中、何でもできる人ってそういないですよね。だから、会社にだって、ダメな人もデキる人もみんな居ていいんですよ。ちょうど腸内細菌の善玉菌と悪玉菌と日和見菌が絶妙なバランスで存在しているみたいに(笑)。 そのバランスが絶妙に機能しているのがCCCなのではないかと思います。