外の世界を経験してきたからこそ、持っている視点がある。
中途としてCCCに入社し、新卒とは違った視点でCCCの仕事に向き合う社員を紹介する「#中途の視点」。
今回は、CCCマーケティング(以下、CCCMK)でストラテジックプランナーとして働く惣慶智之さんのインタビューをお届けします。
今回の中途社員
惣慶智之さん
2020年中途入社。CCCMK ストラテジックプランニングチームにて、プランナーとして従事。
転職の理由
――以前はどんなお仕事をされていましたか?
もともと広告、広くいえばマーケティングの分野に関心があり、大学で広告系のゼミに所属していました。卒業後は、新卒で大手広告代理店に就職し、その会社で13年ほど働きました。大型商業施設のプロモーションや、通信端末メーカーの広告など、営業やプランナーとして関わってきました。そこから時代の変化に伴い、デジタルマーケティングを学ぶ必要性を感じるようになり、オフラインが中心だった当時の職場を離れて、事業会社にデジタルマーケティング担当として入社しました。入社直後から、コロナの影響で事業環境が大きく変わってしまいましたが、そんな中でも新しいスキルの習得をしたり、デジタルマーケティングについてより学んだりしました。自分が培ってきた経験をさらにスキルアップさせるため、コロナ禍の厳しい環境下ではありましたが、転職活動を始めました。
――CCCへ入社された経緯を教えてください。
ここまでで、オフラインにおける広告コミュニケーションとデジタル領域でのキャリアを積んできました。次のキャリアとして考えたのが、これからの時代のマーケティングに欠かすことができないデータベースマーケティングでした。CCCはデータベースマーケティングに関してはとても知名度がありますし、CCCの手がけた仕事に「面白いな」とか、「こんなこともできるのか!」など同業者でも印象的なものも多くあったので、選考を受けることにしました。そして、面接を担当してくれたCCCのプランナーが本当に面白い人で(笑)、とにかくとても印象的で、ここでこの人と働きたい、という気持ちになったのでCCCに入社することを決めました。
プランナーの仕事
――現在のお仕事はどういったものでしょうか?
CCCでは、商品・サービスと消費者をつなげるためのコミュニケーションプランニング領域を中心に担っていますが、データを用いながら新規の事業や商品の戦略提案を行ったり、データを活かした新しいメディアの活用方を立案したりと、プランナーの枠を超えて幅広くチャレンジしています。
――具体的にどのようなお仕事をされているのですか?
たとえば、新製品の発売前に、その製品の販売戦略の相談があれば、データをもとに市場や消費者傾向を分析して、商品のターゲットを絞ります。この作業は、「どんな人たちにこの商品を売り出すのが一番良いのか?」を探すものです。次に、「その新製品はその人たちにどんな価値を持つのか?」を見つけるために、類似製品や関連性の高い別ジャンルとのつながりを、データで検討して、製品の位置づけ・価値づけを考えます。そこから、「ではこんな人たちに、こんな製品を売るためには、どうやって宣伝しましょうか」と提案するわけです。
データベースマーケティングとは言っても、企画作りというプランナーのメインの業務は、自分のアイデアやひらめきによる部分も大きいです。でも、企画作りの材料としてデータを使えると、戦略や企画の精度はぐっと高まります。たとえば、20代の女性に刺さりそうな広告戦略を考えるよりも、20代前半で首都圏に住み、週に1回ほど週末に類似製品を買うことがある社会人女性に向けた広告戦略を考えるほうが、ピンポイントで需要に刺さる宣伝になりやすいと思いませんか?
――プランナーとしてやりがいを感じたエピソードを教えてください。
ある老舗の大手酒造メーカーに提案した、商品戦略です。そのメーカーの商品は、「年配の方が飲むもの」という印象が強く、若年層が購買に至っていないという課題がありました。この仕事もまずはデータを用いて、若者でもこのジャンルの商品を購入している層を抽出して、その層の消費行動などの分析を通じて、ターゲットの人物像を考えるところから始まりました。容器形状や価格といった商品の特性と相性の良い生活スタイルを考えて、キャンプなどアウトドアな趣味を持つ若者に喜んでもらえるのではないかという仮説を立ててデータで検証。すると仮説通りの傾向が出てきたので、戦略や施策アイデアに落とし込みました。結果的に商品のラベルデザインやプロモーションなどを任せてもらうことができ、キャンプ系インフルエンサーと飲用シーンを撮影しに行き、ラベルデザインを制作するようなこともやりました。
――案件を行う際のチーム構成について教えてください。
チームのメンバーや人数は案件ごとに異なります。大型の案件ですと、営業・プランナー・データアナリスト・デザイナー複数名でチームを組み、適宜外部のプロダクションや書店事業担当者なども含めて動いています。反対に営業・プランナー・データアナリストそれぞれ1名ずつで少人数で動くこともあります。
――お仕事で特に大変なことを教えてください。
限られた時間のなかで行わなければいけない仕事でも、高い質が求められることです。プランナーの一日は、結構忙しく過ぎていきます(笑)。打ち合わせは基本オンラインなのですが、どんどん打ち合わせ予定が入ってスケジュールが押さえられてしまい、「ここでたまっている仕事をやっつけてしまおう」と思っていた空き時間が気が付いたらなくなっていた、みたいなことがよくあります。打ち合わせ以外の業務には、クライアントにわかりやすくご提案をするための資料作りや、一番大切なアイデア出し、企画そのものを考える、といった業務があります。ただ、その業務のための時間を確保するのが本当に難しいです。しっかりした資料はクライアントの理解度に直結しますし、同僚のプランナーは他社を経験した自分から見ても驚くほど資料の質が高いので。企画のアイデア出しなどは、商品・サービスを実際に体験したり、現場を見て考えること、またユーザーにヒアリングし、効率よく他の視点も取り入れることで、限られた時間でも質の高い仕事を実現するようにしています。プランナーの仕事は、世の中に物やサービスを送り出すことなので、世の中を知らないと良いアイデアは出てきませんし、会社にいるだけでは世の中のことはわからない。だから、時間がなくても色々な場所に足を運んで、現場を見に行く、商品を見に行く、人の動きを見てみる、聞いてみることが大事です。ですので、その時間を少しでも多く作ることが今の課題ですね(笑)。この会社に入り書店に行く機会が多くなりましたが、特に書店は勉強になります。いまのトレンド傾向や、このジャンルに興味がある人は一見関係なさそうなこのジャンルの本も手に取っているな、など行くたびに気づきがあります。
中途社員の視点
――CCC入社以前に積んだ経験が役立ったことはありますか?
他社では、CCCとは異なるアプローチや領域の仕事を経験してきました。そのことで、現在の仲間に対して、違う角度からの視点を提供することができます。「こんな考え方もあるよ」と、考え方の幅を広げるような視点を提供することで、より良い企画を作る貢献ができているのではないか、と思っています。この違う視点の提供という面では、他社で経験を積んでCCCに入った中途社員だからこその価値ですし、今後の自分の役割であるとも感じます。
プランナーになる前に経験してよかったと思うのは、間違いなく営業職です。よくプランナーになりたいのに最初は別の部署にいることに悩む人や、どんなスキルを身に着ければプランナーに役立つのかわからない、という人が多いと聞きますが、私はプランナーになる前に営業を経験したことが、いまのプランニング業務にとても役立っています。チーム構成からもわかるように、ひとつの案件でプランナーと営業は一緒に携わりますし、実際の業務範囲も完全に分離しているわけではありません。むしろ、営業はここまでが仕事、というように明確な線引きがあるわけではなく、営業がプランニング業務を一緒にやる機会もたくさんありますし、クライアントとのコミュニケーションの取り方や、課題を見立てる力、提案する力などのプランナーとして必要なスキルも磨けると思います。
――入社前のイメージと、入社後の現実にギャップはありませんか?
任せてもらえる仕事の幅に関しては想定していたよりずっと広く、いままで経験がなくても、希望があればどんどん挑戦させてくれるので、入社前に思っていたより、ひとりひとりがチャレンジできる環境であるという点で、良い意味でギャップがありました。また、他にも入社して驚いたのは、クライアントからのご相談内容や粒度がかなり多岐にわたることです。代理店時代は、代理店としての業務を完遂するのがゴールだったので、持ち込まれるご相談に対して、こちらから提供できる業務の領域は自然と固定化されることが多かったですが、CCCではクライアントも「今こういうことに困ってるけど、何とかしてもらえないか」くらいのアバウトな状態で気軽にご相談してくださることも多々ありますし、そんな相談に様々なソリューションが出せるのが強みだなと感じています。
――CCCらしいなと思うポイントを教えてください。
とにかく悪い人がいないところです(笑)。CCCに入社してからまだ1年半ですが、仕事をしているとどうしても自分とはなかなか合わないなと思う方や、一緒に働くのが難しいと感じてしまうことがあると思うのですが、今のところCCCで見たことがないです。これは転職を経験をしたからこそわかることですが、結局会社選びや職場選びで一番大事なのは、「誰と働くのか」なんです。有名だったり、外部からの評価が高い会社だとか、社長の価値観に共感したとか、制度が充実している、といった要素もひとりひとりの価値観で重要性が違うだろうし、働く環境としての魅力には間違いありません。でも、やはり最終的に重要なのは、一緒に働く人たちがどんな人たちかだと思います。私がCCCに入社した決め手も、CCCで働く人たちの人柄に大きな魅力を感じたからです。
これからCCCでやりたいこと
CCCほどデータを活かした複合的なマーケティングできる企業はそうありません。しかし、この強みが逆に、「全てデータを起点に企画をしなければならない」といったことへの執着につながってしまうときがあるかなと感じています。CCCに依頼するクライアントのほとんどが、データの強みを活かした企画を期待しているはずですし、間違いなくデータはCCCらしさを構成する大きな要素です。ただ、あくまでもクライアントの課題を解決する企画を提案することが私たちの仕事で、その方向性を決めたり、効果を最大にするための手段としてデータがある。そこを常に意識しながら、自分が良いと思う企画のアイデアを出し続けることが大事だと感じています。何かに染まったり、既成概念にとらわれたりせず、常に広い視野を持ち、本当の意味でクライアントにとって「いちばん良い企画」、「多くのひとが喜んでくれる企画」をつくれるよう、中途社員の自分ならではの視点を持ち続けながら仕事をしていきたいです。また、CCCには社員からアイデアを募り、新しい事業を考える企画や制度もあります。今後は、プランナーの仕事に加えて、事業を考えることにも挑戦していきたいです。