CCCの「企画」「人」「働き方」を伝えるメディア

CCCの一員として、図書館で働く。まちづくりと公共施設の新しい関係性。

CCCで活躍している若手社員のインタビューを連載する「#若手のリアル」。今回は、熊本県宇城市の不知火美術館・図書館でイベント企画、広報、タウンマネジメント推進を兼任する鈴木里実さんのインタビューをお届けします。 

今回の若手社員 

鈴木里実さん 

2020年新卒入社。1年目は宮城県にある多賀城市立図書館にてタウンマネジメント推進室に所属し、運営業務及び行政・図書館・市民が一体となった町おこしに携わる。2年目の2月から、2か月後にオープンを予定していた熊本県宇城市にある不知火美術館・図書館の立ち上げに携わる。現在は同施設で運営、イベント企画、広報、タウンマネジメント推進等幅広い業務を担っている。 

「図書館の新しい価値」と「CCCの人」に惹かれて。

――CCC入社の理由を教えてください 。

大学で学んでいた図書館情報学に関われる仕事があること、そして『CCCの人』の魅力が入社を決意した理由です。『CCCの人』には面接でお話しした社員の方だけでなく、就活イベントに登壇していた社員の方、そして他の内定者も含んでいます。また、イベントの際に実際図書館事業に携わるCCC社員の方が、「公共施設である図書館に新しい価値を見出したい」と語っていました。そして紹介された企画が、実際にこれまでの図書館のイメージを超えて、より自由で利用者に寄り添うものだったため、とても感銘を受けました。加えて、内定者懇親会などのイベントが他社と比べてもダントツで楽しく、他の内定者(現在の同期)とも仲良くなれたのが決め手でした。

タウンマネジメント担当に。見知らぬ土地で手探りで仕事を学ぶ日々。1年目のリアル。

――最初の仕事について教えてください。 

コロナ禍真っ最中の入社だったため、すぐに現地で勤務開始というわけにはいかず、短期間で色んな部門に入りながら長めにオンラインでの研修を経て、実地勤務を開始しました。最初の配属先は宮城県の多賀城市立図書館のタウンマネジメント推進室でした。そのときは「タウンマネジメントって何?」という状態でした(笑)。日々の運営業務と並行して、地域住民の皆さんと行政と三者一体になって、コロナ禍で苦しんでいる多賀城市のお店を応援するプロジェクトに携わりました。 

――1番大変だったことはなんでしょう? 

タウンマネジメントに必要な視点を理解することですね。図書館運営業務のほうは、大学で学んでいたこともあって比較的早く仕事を覚えられたのですが、タウンマネジメントの方には本当に苦労しました。なぜそこまで苦労したのか考えてみると、この2つの業務に必要な視点が全く異なるからではないかと感じます。図書館の通常業務はひとりひとりのご利用者様に向き合うミクロの視点が必要ですが、タウンマネジメントは街単位で物事を見るため、マクロの視点が必須です。私にとってはこのマクロの視点がとても難しく・・・悩みすぎて泣いたこともあります。また、そもそもタウンマネジメント推進室は、部署自体がまだできたばかりだったので、最初は先輩社員さんを追いかけて、ひたすら仕事をする上での視点や関係者の皆さんや町のことを学ぶことに必死でした。  

――どうやって乗り越えたのでしょうか? 

正直、いまでも「乗り越えた」という感覚はありません。ただ、がむしゃらに進む中でだんだんとわかってきたことがあります。最初は対極にしか見えていなかった2つの視点、そのどちらも兼ね備えていることが重要で、その2つを切り離すのではなくつなげることが大事なんだということです。たとえば、個々の利用者さんやひとりひとりの町の人を見るミクロの視点があるからこそ、その人たちの集合体である街のこともより高い精度で考えることができます。同じく、街単位の広い視野で物事を理解できてこそ、ひとりひとりにさらに寄り添ったサービスが提供できる可能性も高くなります。その後場所が変わっても当時得た学びを活かして今も仕事ができているので、苦労した分得たものは大きかったと思います。 

 立ち上げから関わった不知火美術館・図書館にかける想い。

――2年目後半からは現在働いている不知火美術館・図書館の立ち上げにかかわったそうですね? 

2年目の2月から、2か月後にオープンを予定していた不知火美術館・図書館の立ち上げに携わりました。2月に現地の熊本県に移住して、本格的に立ち上げに関わりました。そのままオープンを迎え、今は運営業務に携わっています。立ち上げプロジェクトでは、オープニングイベントとして控えていたマルシェの準備や運営業務のマニュアル作成に携わりました。宇城ではCCCの図書館としては初めて、LINEと連携して本が借りられたり、ウェブで図書館カードが作れたりと、新しい試みがありました。そうした初めての試みに対して、運営ルールやカウンターマニュアルなどを一から作成しました。多くの先輩社員にアドバイスをいただきながら、なんとか作成することができました。これまで関わることのなかった年次や役職、事業の先輩社員と関わることができたので、自分の視野が一気に広がったとてもいい経験でした。 

――現在は不知火美術館・図書館で運営業務とタウンマネジメント推進室のほか、広報やイベント担当としても活躍されているそうですが、現在の仕事での課題や展望はありますか? 

不知火美術館・図書館は、名前のとおり美術館と図書館が併設されている珍しい施設です。ただ、図書館に比べて、すぐ横の美術館の集客規模がまだまだ小さいのが現状です。色々と取り組みは行っていますが、アートや美術館に対して敷居が高いイメージがあるのも、要因の一つではと思っています。ヨーロッパでは、小さいころから学校行事や家族でも美術館に通う習慣があるため、彼らにとってアートは身近なものだと聞きます。それに比べて、日本でのアートは決して身近なものではなく、むしろ敷居の高いイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、宇城市の子どもたちは、自分の街に図書館も美術館もあるんです。これはすごいアドバンテージだし、大いに活用できる環境にあります。なので今年は、私の関わる全ての業務を通じて美術館の魅力最大化に注力したいと思っています。新しい美術館の使い方の発信やイベントを通じて、子どもたちをはじめ宇城市のみなさんがアートに親しんでくれるような場所になるようチャレンジしたいです。 

とことん利用者さんのために。CCCらしさとは、しなやかさ。

――仕事でやりがいを感じる瞬間と、仕事をする上で大事にしていることを教えてください。 

わたしはとにかく「ありがとう」と言われることにやりがいを感じます。どんなにつらくても、最後に誰かに「ありがとう」と一言言ってもらえただけで、全部報われた気持ちになったことが何度もあります。企画したイベントが成功したときの、他のスタッフさんからの「自分だけでは実現できなかったよ、ありがとう」、来てくださった参加者からの「楽しかったよ、ありがとう」などなど、全部忘れられないくらい大切な瞬間です。 

また、1年目からずっと、たとえ時間がかかったとしても「理解できないことをなくす」ように心がけています。先輩からお仕事を振られたとき、何を意図しているのか、どういうことを期待されているのか背景事情や、気になる点、確認しておくべきことはないかなど、きちんと理解するように努めています。調べたり、ときには素直に質問して、自分の中に落とし込んでから仕事をしています。 

――CCCらしさや、CCCで働く魅力とはなんでしょうか? 

CCCは既存の枠組みにとらわれない自由さが魅力です。公共事業を通じてCCCらしい自由さを発揮できる機会もあって、とても面白いです。利用者さんのためになること、還元できる基準に関してはどこまでもシビアです。ですが、利用者さんのためになることなら、既存の枠を越えてどんどん価値を付加できるように動ける、そんなしなやかさを兼ね備えながら実現するパワーがあるのでは、と思います。

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