※この記事は、2021年9月時点の情報を掲載しています。
企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。
そんな一つひとつの企画の裏側に隠された「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当てお伝えする「#キカクノキッカケ」。
今回は、Tポイント・ジャパン(以下、TPJ)坂本さん・簗場さんのインタビューをお届けします!
- 今回のキカク人
- データを用いたコンサルティング業務とは?
- ライフスタイルの変化への適応をデータ活用で!
- そうして生まれたキカク エスニック商品開発
- 制約条件を中心に考えるとオーソドックスな商品しかできない
- データとツールを用いて平準化した商品開発へ
- 信念と執着心を伴った行動が信頼関係を作っていく
- データを用いて社会課題へ挑戦
- CCCには、良い意味で放置される環境がある
今回のキカク人
坂本 孝治 さん
2004年中途入社。TSUTAYA事業を中心に様々な業務に従事し、TPJに異動。データを用いたコンサルティング業務を行っている。現在は外食企業やスーパーマーケットのコンサルティングを担当。
簗場 美緒 さん
2018年新卒入社。SHIBUYA TSUTAYAでの店舗勤務を経て、2年目からはTPJデイリーユースコンサルティング部門でスーパーマーケットの担当をしている。
データを用いたコンサルティング業務とは?
――CCCへの入社から、現在の業務を担当するまでの経緯を教えてください。
簗場:1年目は、SHIBUYA TSUTAYAでCDやDVDの販売を担当していました。2年目からTPJデイリーユースコンサルティング部門でスーパーマーケットを担当しています。担当になってから初めの1年間は、クライアントさまに対して、Tポイントのデータを使ってどのように販促を行っていくか、販促のターゲティングを行っていく際にどういったデータを使っていくか、という視点でのコンサルティングに加え、クライアントさまに商品を卸しているメーカーさまと一緒に商品提案を行っていました。3年目以降はメーカーさまとの仕事を引き続き行いながら、クライアントさまの商品開発にも携わっています。
坂本:入社後はTSUTAYAの静岡にある支店で音楽と映像のバイヤーをしていました。5年ほど経ってバイヤーのリーダーになり、バイヤーやスーパーバイザーの教育・管理などを行っていました。その後、TSUTAYA事業統括において複数の新規プロジェクトに携わりました。TPJに異動してからは、データを用いたコンサルティングを行っています。最初は車・ファッション・エンタメなどのクライアントさまの担当をし、現在は外食企業やスーパーマーケットのコンサルティングを行っています。
ライフスタイルの変化への適応をデータ活用で!
――今回の企画の経緯を教えてください。
坂本:私がスーパーマーケットのクライアントさまの担当になった当時、首都圏の人口増加の影響で競合他社が首都圏に数多く出店してきたり、ドラッグストアやディスカウントショップなどにも食品が売られ始めたことで食品の購入箇所がボーダレス化していってたりと、競争が激化していました。市場の変化やライフスタイルの変化の中で、データを活用してお客さまの変わりゆくライフスタイルを知り、それらに適した商品や売場を設計したいというクライアントさまのニーズがありました。
CCCがTのデータを使って行うことは、販促支援だけにとどまらず、本業支援なんですよね。本業支援とは、Tポイントを貯めたり使ったりすることができるということだけではなく、クライアントさまの課題や市場トレンドを把握した上で、データを用いてターゲットの需要変化を把握し、それに合わせた形で「どのように販促をするか?」「売場をどのように設計するか?」「一緒にどんな商品を販売するか?」などの戦略を立てていくことです。
今回の企画はその一環で、クライアントさまのニーズに対して、ビッグデータや食のエンハンスデータ(食に関するあらゆるデータ)があり、出版社のコンテンツがあるCCCにしか作れない価値があるのではないか、ということで始まりました。
そうして生まれたキカク エスニック商品開発
簗場:今回の企画はスーパーマーケットのエスニック商品の開発です。ガパオライス、カオマンガイ、グリーンカレーの商品開発を、データを用いながら進めていきました。経緯としては、毎年、春にエスニック商品の売上が上がるというデータがありました。その上で「どのメニューにするか?」「メニューの中身の具材はどのようなものにするか?」といったところを、しっかりとデータを用いて一緒に決めていきたいということでエスニック商品の企画が始まりました。
外食クチコミサイトのデータや、テレビ番組のデータ、スーパーマーケットやドラッグストアの購買情報、Twitterのつぶやきのデータ、webの検索データなど、幅広いデータを見ながらメニュー決めを行っていきました。
制約条件を中心に考えるとオーソドックスな商品しかできない
――確定したメニューの見た目や味、具材などの具体的な内容はどのように決めていったのでしょうか?
簗場:外食人気店分析の機能を使って具体的に決めていきました。弊社のMarket Watchというツールで、キーワードに沿った人気のお店のクチコミデータを見ることができます。ガパオライスであれば「どういった味、見た目、具材だと評価されているのか」「妥協してはいけないことは何か」といった大事なポイントを洗い出していきました。それを元に、オペレーションやコストの観点も踏まえて、どういったガパオライスにしていくのかをディスカッションしていくという流れで進めていきました。
ここで重要な点は、オペレーションやコストはもちろん加味する必要があるのですが、それを中心に考えてしまうとこれまでと変わらない商品ができてしまうため、データをしっかり見て、「ここは妥協しないほうが良い」など優先順位をつけた上で提案しています。
データとツールを用いて平準化した商品開発へ
――企画を進める上で難しかったこと、大変だったことを教えてください。
簗場:実はデータを使った商品開発を最初に提案した時、クライアントさまの反応は良くなかったんですね。何回も提案を重ね、ようやくご理解いただくことができました。また、今回の商品開発をきっかけに、クライアントさまがデータを分析しながら進めてもらうフローに変えたことで、一時的に先方の工数が純増することになり、分析の担当者の方にご理解いただくことが一番難しかったです。まずは実際にデータに触ってもらいながら、実は自らデータを使った方がより早く商品開発ができることを実感していってもらいました。
坂本:クライアントさま側にも、商品開発のパフォーマンスを平準化していかないといけないという課題意識がありました。私たちが入ることでデータとツールを使って商品開発をするというフローに変え、結果的に「誰でも良い商品を早く開発できるようになること」を目指して進めました。
信念と執着心を伴った行動が信頼関係を作っていく
――企画を進める上で大事にしていたことはありますか?
簗場:今回の企画に限らず、新しいことを一緒にやっていこうと提案する時には、必ず一度は相手からの拒否反応が出るものです。その時にこちらからの押し売りではなく、相手側の商品を良くしたいという想いがあって提案しているということを、口だけで伝えるのではなく、データを細かく分析したファクトを何度も持っていってその姿勢を見せるなど、行動で示しながら長期スパンで信頼関係を築いていくことを大切にしていました。
坂本:自分たちのためにやるのではなく、お客さまのライフスタイルに対応するという課題解決のために動くということです。あとは「信念と執着心」ですね。データやツールを活用して人件費を節約することやDX化していくことは、今後必ずやっていかなければいけないことであるという信念を持って相手に何度も伝えていくことです。
データを用いて社会課題へ挑戦
――お二人が考えるCCCらしさを教えてください。
坂本:需要予測もしていきたいですね。現在の市場の把握だけでなく未来の予測も十分に可能なのではないかと考えています。また、社会課題への挑戦として廃棄ロスの削減などにも取り組んでいきたいと思っています。需給のバランスをみてリアルタイムでオペレーションに組み込んでいくことで、無駄に多くの商品を生産することがなくなり、企業としてもコストが下がり、その上で社会課題である廃棄ロス問題の解決に繋げていければいいなと思います。
CCCには、良い意味で放置される環境がある
――お二人が考えるCCCらしさを教えてください。
簗場:CCCは様々な業界に跨ってビジネスをしています。取引先も様々です。スーパーマーケットだけでも複数のクライアントさまがいて、CCCの社員は各々のクライアントさまに対して全く違った働き方をしています。そういった環境下で、豊富なソースから得られる情報を駆使してクライアントさまに提案できるところに魅力を感じています。
坂本:「良い意味で放置される」ところがCCCらしさかなと思います。「あれやれ、これやれ」と言われることはなく、比較的自由にやらせてくれる会社だなと思います。指示を待つタイプだと厳しいかもしれないですが、自分で考えてやりたいタイプであれば、良い環境や機会が与えられる会社だと思います。