※この記事は、2021年6月時点の情報を掲載しています。
企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。
そんな一つひとつの企画の裏側に隠された「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当てお伝えする「#キカクノキッカケ」。
今回は、中目黒 蔦屋書店にて実証実験中の『スマホレジ』を企画した中西さんと御前さんのインタビューをお届けします!
今回のキカク人
中西 健次さん
2002年新卒入社。中目黒 蔦屋書店の立ち上げや社長室長などを経験後、現在OMO (OMO=online marges with offline:オンラインとオフラインを併合する)企画室長として活躍中。
御前 昌宏さん
2003年新卒入社。人事、音楽バイヤーやTSUTAYA直営店の店長など様々な部署を経験し、現在はOMO企画室に所属。
面接の時に感じた人の良さ
――はじめに、お二人の学生時代からCCCへの入社までについて教えてください。
中西:私は学生時代サーフィンをよくしていて、一限前に海に行ってから授業に出るなんて生活を送っていました(笑)。また映画を作る研究会で活動をしており、それもあって就職活動ではマスコミと制作会社を受けていたのですが、たまたま友人にCCC受けたら?と言われたのをきっかけにCCCを知りました。面接の時に感じた社員の方の人の良さが決め手となってCCCへの入社を決めました。
御前:私の学生時代は、バンドと就職支援を行う学生団体とアルバイトで成り立っていました。特にバンドはとても力を入れていて、実は社会人になる直前の3月末までプロの道に進むかどうかで悩んでいました。同時並行で進めていた就職活動では、実はエンタメ業界にはあまり興味がなくて、鉄鋼や金融など様々な業界を見ていました。その中で自分が『誰と』働きたいかを重視していることに気づき、当時面接をしてくれた方に憧れを抱いたCCCに就職することにしました。
「じゃあ、もうやっちゃおうぜ」
――それぞれの経緯でCCCへ入社したお二人。現在は同じOMO企画室で今回の企画を実験中とのことですが、どのようなキッカケがあったんですか?
御前:OMO企画室が立ち上がって、CCCのサービスをスマホに移行していこうというミッションが生まれました。TSUTAYAで新しいラウンジやカフェが立ち上がる中、自動でチェックイン/アウトやモバイルオーダーができるといいよねという話が出たんです。
社内外の方と色々な話をしていた時に、たまたま社外の方からスマホレジの話を聞き、これは面白いなと。しかし店舗の現場側からは直接スマホレジを求める話は特に出ていなかったんです。正直自分たちもあったらいいよねくらいで、今すぐやらなきゃいけないものでもないかなとも思っていました。
中西:役員会議でスマホレジの話をしてはいたのですが、この企画の価値はすぐに理解してもらうのは難しい領域のため、実行までに時間がかかるかもしれない。じゃあ、もうやっちゃおうぜって始めてみたんです(笑)。少し早いかなと思ったけど、少しずつチャレンジしてかないといいものは生み出せないですからね。
そうして生まれたキカク、『TSUTAYAのスマホレジ』
現在、実証実験が行われている「スマホレジ」。中目黒 蔦屋書店にて取り扱っている書籍および文具・雑貨の全てをお客さまのスマホのみで購入できるというサービス。来店時にQRコードを読み込み商品をスキャンすることで、レジに並ぶことなく買い物を済ませられるという新しい買い物体験を実現する。まずは実験店(中目黒 蔦屋書店)で導入されているが、今後他店舗への展開も検討中。
――この企画を実現する上で、大変だったのはどんなところでしたか?
御前:一番大変だったのはお客さまのインサイトを理解するところですね。大変だからこそ自分が大事にしていることは、「お客さまの気持ちになってお店を見る」ことです。自分だったらこんなサービスがあったら嬉しいな、というものを基軸として、実際他の人はどう思っているのかを調査しながら微調整を加えて理解していきます。
また、このサービスの価値をどのように可視化するのが一番良いのかを考えることも難しいところです。このサービスは使ってもらわないとその価値を十分に理解してもらえないと思うので、その見せ方は今も模索中です。
――今後このようなサービスが展開されていく将来、スタッフの働き方はどのように変わると思いますか?
中西:今後このような流れが進んでいけば、スタッフの仕事は「人にしかできないことに集中していく」と思います。レジ業務って実は作業で、人じゃなくても正直できてしまう。実際自分が店舗にいた時も、レジから出られないタイミングで目の前に商品を探してる方に気付いた時に「お手伝いできたらな」と思った経験もあります。今後そのような場面は減らしていけるかもしれないです。
年齢とか経験じゃなく、その企画を一番考えた人の意見を尊重する。
――最後に、お二人が働く中でCCCらしいと感じたエピソードを教えてください。
御前:私がCCCらしいなと思うことは、芯を食っていれば若手でもかなりの大きなプロジェクトを任せてもらえるということです。東北エリアの音楽バイヤーをしていた頃に、FM山形さんとのコラボを当時入社2年目の自分に任せてもらったことは忘れられません。芯というのはCCCの行動規範のことで、お客さまのためになることを客観的に分析して導き出した企画は、その芯を食っているものになるかなと。ただ正直入社した時は行動規範とかよくわからなかったです。でもひとつのプロジェクトを任せてもらった時に「何のためにやっているんだっけ?」と立ち戻ったものが行動規範で、その時とても重要性を感じました。
中西:私もCCCらしいと感じた部分は若い時にすごく大きな役割を持たせてくれるところですね。入社3年目の時に、フランチャイズショーに10年ぶりに出展することになったのですが、なんとプロジェクトリーダーになってしまって。多額の予算を使って、「中西、企画してみろ」と。そこからはたくさんの方に助けてもらいました。またブースの場所について社長に相談した時は自分の主張を尊重してくださって。経験とか年齢は関係なく、一番その企画を考えている人の意見を尊重して挑戦を後押ししてくれる、そこがCCCらしさだなと感じています。