※この記事は、2021年4月時点の情報を掲載しています。
企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。
そんな一つひとつの企画の裏側に隠された「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当て、お伝えする「#キカクノキッカケ」。
今回は、CCCのアセットで地域課題の解決に取り組む「Tカードみんなのソーシャルプロジェクト」から、長崎県五島列島を舞台に取り組む「五島の魚プロジェクト」を企画した瀧田さんのインタビューをお届けします!
今回のキカク人
瀧田希さん
2002年キャリア入社。マーケティング部門のプランナー職、Tポイント宣伝販促部の責任者を経て、現在はTポイント・ジャパンでブランド戦略業務に従事。
生活者に愛されるブランドつくりに携わりたい
――瀧田さんがCCCへ入社することになったきっかけ、入社してから取り組んできた業務について教えてください。
大学卒業後、すぐには就職せずにフランスに3年間留学をしていました。帰国後はコミュニケーション領域のお仕事がしたくて、広告代理店に入りました。
そこの上司がある時CCCに転職をして。彼からCCCはすごくいい会社だからおいでよとお誘いを受けました。CCCならより幅広いお仕事ができ、いろいろな経験を積めるんじゃないかと思って転職を決めました。
転職後はプランナーとして大手食品メーカーさんやトイレタリーメーカーさんに宣伝販促企画を売る仕事をしていました。その後、Tポイントの宣伝と販促の業務に携わるようになって、そこの責任者を5年ほど務めました。現在はブランド戦略に特化した業務を担当するようになって5年ほど経ちます。実は、ずっとブランディングをやりたいと思っていました。マーケティング領域の仕事は、広告もあれば販促もあったり、多岐に渡ると思いますが、生活者に愛される、よいブランドをつくるというのが全ての根源だという思いもあって、ずっとブランディングをやりたかったんです。
Tカードみんなのソーシャルプロジェクトとは?
――今回のプロジェクトは社会課題に向き合うというものですが、そもそもCCCがソーシャルプロジェクトを発足させることになった経緯は何ですか?
「五島の魚プロジェクト」は「Tカードみんなのソーシャルプロジェクト」という取り組みの第三弾です。CCCが持つT会員の基盤やビッグデータ、アライアンスネットワークを社会に還元し、社会価値をつくることができないかとの思いで発足したプロジェクトです。プロジェクトで具体的に取り組む内容について考えた時に、Tポイントは日本全国に使えるお店があって、日本全国にT会員の皆様がいて、改めて地域とともに成長してきたブランドだなと。そこで地域共生というテーマを設け、地域課題の解決にフォーカスすることにしました。
Tカードみんなのソーシャルプロジェクトについてはこちらの記事もご覧ください
そこから更に地域の課題について考えた時に、一次産業である農林漁業の課題が大きいと感じました。一次産業が立ちゆかないと、日本の自給率は上がらないし、そこに従事している人たちの生活も成り立たなくなる。将来的に世界的な食糧難が起こると言われる状況で、このままではまずいのでは、という思いもあって、まずは地域の一次産業に着目しました。また、私は2011年から東日本大震災復興プロジェクトにも携わっていて、ずっと東北に通っていたこともあって、地元の漁師さんたちとも繋がりがありました。その方たちに改めていろんなお話を聞いていた時に、『六次産業化』がキーワードとして浮かび上がったんです。(六次産業とは、生産者(一次産業)が加工(二次産業)と流通・販売(三次産業)を行うことを指します。)六次産業化ってなかなか地域の人たちだけでやるには難しい、色々な人を巻き込んで共創することが必要なんだという話になり、まず三陸で商品開発を行うプロジェクトを始めました。そのプロジェクトを発端に、今回の五島の魚に繋がっていきました。
そうして生まれた企画「五島の魚プロジェクト」とは?
一次産業従事者だけではネットワーク・知見が少なく、実現が困難な面もある一次産業の六次産業化。美味しい魚はたくさんあるのに、輸送などの問題により都市圏に流通させることのできない魚がある離島の漁業の課題。
そんな五島の地域課題を、Tカードのビッグデータと会員基盤を役立てることで解決できないかとチャレンジしているのが「五島の魚プロジェクト」です。プロジェクトをスタートする前、五島に1週間滞在し、漁師さんや漁協、仲卸、水産加工会社、市役所など様々な方たちに五島の漁業についての課題をヒアリングさせていただいたところ、浮かび上がってきたのが「未利用魚」の問題でした。
未利用魚を素材として、地元の事業者、流通関係者、消費者であるT会員やシェフなどあらゆるステークホルダーが一同に会し、Tカードのビッグデータを活用しながら何度もセッションを続け、商品開発を行ないました。
ターゲット層の志向性から最終的に導かれた商品アイデアは「五島のフィッシュハム」として実際にスーパーマーケットの店頭で販売されています。
――プロジェクトでは、商品開発の全ての段階でCCCが持つビッグデータを活用されたそうですが、具体的にどのように活用されたのでしょうか。
データの利活用で真っ先にイメージするのは、データ分析から市場のニーズを把握して、それを商品に活かすということだと思いますが、他にもCCCの持つビッグデータから「とびきり魚介好きで食にこだわりがある人」の特性を導き出し、消費者として今回のプロジェクト参加のオファーを出したりもしました。
※セキュリティ上、厳重に管理された環境の元、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
アイデアを発散させる、インスピレーションを沸かせるためにもデータを活用できます。「地域課題を解決するために未利用魚で加工商品を作ろう!」と言われて考えようとしても、思いつく範囲が少ないですよね。でも、魚に関するデータを深掘りしていくと、魚ってお菓子に使われてたり、ピザにも使われていたり、結構無限の可能性があることが見えてくるんです。更にそれらの市場ボリュームやペルソナを確認すると、新しいアイデアの種が見つかることがある。CCCのビッグデータは切り口を変えるだけで、あらゆる場面に活かすことができるんです。
企画を追求する仲間
――最後に、瀧田さんが感じるCCCらしさについて教えてください。
企画ができるまでって、苦難の連続です。特に今回は様々なステークホルダーと共創していくプロジェクトだったので、地域側の課題もあり、流通側の課題もありました。そこで発生する利害関係の調整も当然あります。でも、そんな中でも最後まで企画のあるべき価値の追及を諦めない姿勢を貫くのは、CCCらしいなと思いますね。また、社内のメンバーから「会社でこういうことをやっているのは社員として誇らしい!」と言ってもらえて、嬉しかったし、そう思ってくれるのもCCCらしいなと思います。