※この記事は、2021年11月時点の情報を掲載しています。
CCCで活躍している若手社員のインタビューを連載する「#若手のリアル」。
今回は、蔦屋家電エンタープライズで営業を担当している武藤さんのインタビューをお届けします。
- 今回の若手社員
- 就活中は蔦屋書店で自問自答をしていた。
- 物件開発の仕事と1,2年目のリアル
- 自分の意志がないとプロジェクトは停滞する。
- お客さまを最も理解しているのは店舗で働いている人
- 先輩がやった方が早いことでも任せてみてくれる。
今回の若手社員
武藤 沙穂さん
2019年 新卒入社。1,2年目は主にTSUTAYA BOOKSTORE・TSUTAYAの物件開発を行い、3年目からは蔦屋家電エンタープライズに所属。独自調達してきた商材を各店舗へ提案し、商材の拡販や店舗の売場づくりを担う。
就活中は蔦屋書店で自問自答をしていた。
――入社までの経緯を教えてください。
幼少期から世界各国でホームステイを経験し、年齢を重ねるにつれて途上国へも行くようになりました。大学では国際協力を主軸に学びました。このような過程を経て、それぞれの地域ならではの生活様式があるということに関心を抱き、生活と密接する領域に携わりたいと思うようになりました。そのため、就職活動では小売店や百貨店の他に、文化を継承していくという意味で出版社なども検討していました。
就職活動中、考えが行き詰まってしまった時によく蔦屋書店へ行き、目についた商品を手にとっては「自分は何が好きなのだろう」という問いかけを繰り返していました。そうするうちに、自分の気持ちやこの先の展望が鮮明になっていき、「こんなに蔦屋書店に入り浸っているのなら、いっそこの企業に就職したらいいのではないか」という結論に辿り着きました。足繁く通う中で、CCCのプラットフォームには文化や知識が集積されていると肌で感じ、この場所でお客さまにも多種多様な気付きを得ていただけたら嬉しいなと思い、CCCに決めました。
物件開発の仕事と1,2年目のリアル
――最初に行っていた物件開発の仕事について教えてください。
物件開発の仕事は、店舗を出店するべく条件の合う物件を見つけてくることから始まります。物件が出店に適しているかどうかの調査を実施した上で、店舗が健全に運営を続けられるように顧客価値と収益を生み出せる事業計画を組み立てていき、デベロッパーと賃料などの経済条件や取り組みの意義について協議します。これらが基本業務ですが、交渉ごとが発生する難易度の高い業務なので、1年目は先輩社員のそばで業務の習得に励みました。取引先との商談や加盟企業様との打ち合わせ、社内で出店の承認を得るための上程会議など幅広く経験しました。
――仕事をしていて大変だったことはどんなことですか。
店舗を経験したことがなかったので出店に関する仕事を進めていくこと自体、大変でした。特に事業計画を立てる際に、経験値がなかったのであらゆる数字に納得感が持てなかったです。そんな中、先輩社員から「現場・現物・現実が何より大事!」と教えてもらってからは、現場を知らないなりに知るための工夫をしてみようと心に決めました。
まず、既存店舗や競合店舗の分析の精度を上げることから始めてみました。その店舗の坪数・売上・取扱アイテム・周辺環境などの情報を細かく調べ、手元にデータを持った状態で店舗へ行き、状況を分析してみることにしたのです。そうして徐々に数字の組み立て方を理解していきました。「この条件が揃うとこのくらいの売上規模になるのか」「だとしたらこのくらいの費用がかかるかもしれない」「それならこのくらいの経済条件でないと採算が合わないぞ」と、少しずつですが数字を見立てられるようになりました。
――2年目の仕事はどうでしたか?
1年目で業務の大枠はつかめ、いよいよ自分が主体者として案件を進めていくにあたり、「ではどんな出店なら良いのか」という一歩踏み込んだ視点を求められるようになりました。1年目までは「こんな判断材料を揃えました」でよかったのに、2年目からは「その材料からこう判断します」が必要になったのです。
案件を進めるとさまざまな障壁が立ちはだかるので、ひとつの案だけでは太刀打ちできません。社内外問わず各部門の方にご意見をいただきながら、いくつも案を立てて検証を重ねました。手足を動かしてみると自分の言葉がより現実味を帯びて、提案も形になっていきました。結果として、ある案件で 出店における座組を確定したり、出店合意の契約を締結したりできました。その案件では新しい顧客体験を提供する店舗を目指していたので、調整ごとが多く難儀したものの、経験が浅いながらいつの間にか自分の力でできる範囲が広がってきたなと手応えを感じました。
自分の意志がないとプロジェクトは停滞する。
――3年目からは家電事業に異動し、営業のお仕事をしていますね。
現在は蔦屋家電エンタープライズが独自に調達した商材を店舗に卸す業務を行っています。主に東日本の店舗を担当して商材やその売場づくりを提案しています。また、店舗やメーカーの方との細かなやり取りも大事な業務のひとつで、お客さまへの生活提案を広げるためには何ができるかを一緒になって考えています。
――1,2年目の経験で3年目に活きた部分はありますか?
物件開発の仕事を通して、自分の意志を持つことが物ごとを推し進める鍵になると分かりました。あらゆる要望を叶えようとするとどうしてもただの情報伝達にとどまってしまい、会議ではいつも「あなたはどうしたいのか、どうあるべきなのか」と問われていました。せっかく承認を得る場に身を置かせていただいているのに、結論を出せませんでした。こんな状態では全てが停滞してしまいますよね。そんな経験があって、何でも自分の言葉で話せるようになろうと一念発起して、今では提案時に「実績や方針を鑑みてこうしてみてはどうか」と自分の考えを添えています。そうしてからは状況が前向きに変わってきました。
お客さまを最も理解しているのは店舗で働いている人
――仕事をする上で心掛けていることは何ですか?
店舗で働いている方々との対話を大事にすることです。机上で収集できる実績にとらわれすぎず、現場に重きを置いています。店舗によって客層はもちろん売れる商材の傾向も異なるので、新規商材の導入を提案する際は、お客さまのことを一番よく知っていらっしゃる方の知見がやはり頼りになります。少しでもより良い生活提案にできれば…という気持ちで提案内容を組んでいます。ここでも先輩社員からの「現場・現物・現実」の教えが生きています。
――大変なことはどんなことですか。
「家電」と聞くと冷蔵庫や洗濯機などの大型の商品を思い浮かべるのではないでしょうか。きっと店舗の方も初めは「導入するには専門性を伴う接客が必要ではないか」と感じたはずです。当然だと思います。でも、実はそうではないということを目線合わせするのに時間をかけました。
私たちが手掛けているのはどちらかと言えば雑貨の延長線上にあるような商材です。すぐにでも生活の中に取り入れられるものや日常になじみやすいものを取り揃えています。店舗で働いている方は書籍・文具・雑貨など多岐に渡る商材を用いて 日々生活提案をされているので、そこにお客さまの選択肢を増やすという文脈でぜひ商材を加えてほしい、とお伝えしてきました。最近はその目線が合ってきていて、「この商材をこう展開したら売れました!」と頻繁にご連絡いただけるようになり嬉しい限りです。
先輩がやった方が早いことでも任せてみてくれる。
――CCCらしいなと感じることは?
先輩社員の方々が若手社員に対して成功体験を授けてくださるところです。「はい、やってみよう」と。1,2年目は複雑な仕事をしていたので挫けてしまうこともありましたが、それでも「ここからはひとりではできない、でもここまでは自分でできるのだな」と小さな成功体験を積み重ねてきました。上長の方も答えはとうに分かっていらっしゃるはずですが経験として任せてくださるので、それが自信に繋がっています。頭で考える前に身体を動かしてみた方が理解できることもあると思います。先輩方はそれを見越して本人に委ねているのだと解釈しています。
――今後実現したいことを教えてください。
お気に入りの書籍・文具・映画・音楽… 何かひとつあるだけで、日常にささやかな楽しみが増えたり、見える世界が広がったりすると信じているので、CCCのプラットフォームがお客さまにとって生活を深めるきっかけになれたらと思っています。特定のひとつのことというよりは、そういった価値をお客さまへ継続的にお届けすることを今後もしていきたいです。