CCCの「企画」「人」「働き方」を伝えるメディア

情報は全てお店にある。川上から川下までを一気通貫で行う流通改革。

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※この記事は2020年時点に書かれたものです。

プロフィール

栗俣 力也 さん 株式会社TSUTAYA 商品企画本部 BOOK事業部 流通改革プロジェクト(以下、PJ)

2013年キャリア入社、TSUTAYA三軒茶屋店でBOOK担当社員として働きながら、商品企画に携わる。その後、TSUTAYA文庫の企画プロデュースを行い、現在はTSUTAYA西五反田店で勤務をしながら、流通改革PJでBOOKのプライベート(以下、PB)商品全般のプロデュースを行う。

お店で情報を得て、商品を創る。

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入社後は、店頭に立ちながら、商品の開発を行ってきました。商品開発のきっかけは、既に絶版になっていて世の中からなくなってしまった本を復刊させて、装丁から新しくプロデュースし直したらまた売れるのではないかと思ったことでした。そこで、出版社の方に相談をして商品開発を始めました。「九月の恋と出会うまで」は、初版では500冊の販売でしたが、復刊後は累計18万部突破の大ヒットとなり映画化もされました。

やってみてこれは顧客価値のある企画だと思い、本部とも連携しながら現在ではTSUTAYA文庫として毎月4~5冊発刊しています。TSUTAYA文庫としての復刊だけではなく、クリエイターや著者と作品のグッズの作成、小説の原案そして漫画の連載の仕事も行っています。

店頭に立ち続ける理由、それはお店に情報の全てがあるから。

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コンテンツと人との接点がリアル店舗にあると思っています。ネットで本を購入するお客さまは目的購入で、なんか面白そうだから買うというお客さまは店頭にしかいません。だから、お客さまの興味関心を店頭で直接見るしかないんです。データを使うこともありますが、現場から得た情報を確認するためにデータを見ています。いつも確認した時に画面に向かって「でしょ」と言ってしまうくらい、お客さまを観察しているとちゃんとニーズがわかるのです。

また、丁寧な仕事をしていると、一つのお店では普通あり得ないくらいの大きな成果が出たりすることもあり、そんな時は出版社の方や著者さんなどがわざわざ来店してくださることがあります。僕たちの強みはお客さまと接点があることなので、その情報を川上(コンテンツを作る側)と共有して、一緒に商品企画をする機会につなげています。

仕掛け番長と呼ばれる喜び、そして失敗や日々の仕事からの学び。

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お客さまから「仕掛け番長」という名前でフレンドリーに話しかけられることが非常にうれしいですね。自分の提案を信用してくれているんだなと思います。
三軒茶屋で働いていたころ、「鮫島最後の十五日」というマンガを買ったサラリーマンから、このコーナーを作った人を呼んでくれと言われたことがあったんです。実際にお会いしたら、「僕はこの漫画と出会えて、自殺しようと思ってたが、思い直した。」と仰って下さったんです。自分の提案がお客さまに届いているのを実感できる瞬間が一番うれしいです。
また、よくそんなに色んな仕事をしていて、どうやってこなしているの、失敗はあるのなど聞かれます。僕は、思いついたものは全部チャレンジしています。やりたいという気持ちやアイデアはお客さまの動きからもらえるんです。もちろん時間が足りなくてできないこともあります。でも、何かができなかった時に「何でできないのか」という考え方をすると、「忙しいから」という答えで終わってしまいます。でも「どうしたらできるのか」と考えると、カットできる部分を見つけたり、仕事のやり方を改善していくことができると思います。

CCCを選び続ける理由、そしてこれから仕掛けたいこと。

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CCCに勤め続けている理由は、「リアル店舗を持つ企画会社である」という一点です。情報インプットで最も効果的なのは実際のお客さまと接すること、そして世の中で起きていることをしっかりとキャッチできる環境にいること。これはまさにリアル店舗が無ければできないと考えています。また、大きな企業なのにベンチャー感があって、個人個人でプレイヤーとして光る人が輝ける環境であることや、目標に対しても「結論こうして」、と言われることが多くて、それに対してのプロセスは、自分で自由に考えてできるところもCCCらしさかなと感じています。

わたしが創る未来のライフスタイル

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本は、読む人がいて初めて生きるんです。なので、読む人のことを何より大事にしなければいけないと常日頃から思っています。モノとしての本ではなく、エンタテインメントとして楽しんでいただけるような、最高の提案の形を時代に合わせて模索し、企画して、その結果多くの人の生活を豊かにしたいです。