CCCの「企画」「人」「働き方」を伝えるメディア

“仕入れて売る”から“ “職人さんとつくって売る” 世界中の人が集まる場所で、 日本の誇れるものづくりを提案する。

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※この記事は2019年時点に書かれたものです。

プロフィール

奈須 彩夏さん CCCアートラボ 銀座 蔦屋書店事業部 SPA

入社後、代官山 蔦屋書店で文具を担当。翌年、銀座 蔦屋書店の立ち上げプロジェクトメンバーに参画し、文具のコンセプトワークから商品の仕入れなどを経験。3年目より、文具雑貨リーダーとして商品仕入れ・スタッフマネジメント・商品開発・売場接客に従事。 現在は、「ここだけでしか買えない、体験できない商品」を強化する目的で、自社ブランド(プライベートブランド商品)の開発、商品企画を中心に担当。従来の商品仕入メインから、商品を職人さんたちとつくっていく、新たな商品開発のチャレンジを行っている。

街に暮らす人々のライフスタイルを変える起点をつくりたい。

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就職活動をしていた際に、実際にCCCが行っている事業を見てみようと、佐賀県の武雄市図書館に行きました。そこで、街に暮らす人々のライフスタイルが、図書館が起点となって変わっていくことにとても感動し、入社したいと思うようになりました。

私は生まれも育ちも九州なのですが、地方を元気にしたいという気持ちが大きい。学生時代は地域を音楽で盛り上げようというイベントを企画したり、様々なコミュニティやイベント作りに取り組んでいました。
ただ、就職活動や遊ぶために上京するたび、東京と地方の情報格差や、大人がくつろいだり遊べたりするような場所が地元には少ないなと感じていました。そのため、一度東京で働いて地元との違いを再認識し、外から九州のことを考えてみたい、そしていつか地元に蔦屋書店のようなプラットフォームを作りたいと考えるようになりました。

知識も何もなかった、文具への道。

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文具売り場のリーダーとして、新規商材開拓(商品調達)や接客、毎月テーマを決めて行うフェアの準備などに取り組んでいます。入社1年目は代官山 蔦屋書店勤務で、そこで初めて文具に携わりました。最初は、文具に対する専門知識も無く、興味もあまり無かったため、文具担当になった理由が分からずとても不安でしたが、今では休日も文具のイベントに行くほど大好きです。

文具を知っていくうちに、銀座 蔦屋書店で売っている文具の裏側にいる、メーカーさんや作り手の職人さんに想いをはせ、手仕事を広めたいと思うようになりました。そういった職人さんたちのほとんどが地方に住んでいます。私が全国の職人さんが作った良いものをお店で広めることによって、お客様にも、職人さんにも笑顔をつくれる。入社当初に考えていた「地方を元気にしたい」という想いと通じる部分がありますね。

仕入れて売る”から“つくって売る”へ。

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現在はオリジナルの商品開発にも携わっています。文具好きの人のために作ったピンズは、文具メンバーが0からイラストを描き、デザインしました。昨年の10月に販売を開始し、売切れが出るほどの人気商品です。
この商品は、ペンを書く以外の用途でも身近に感じる、ファッションアイコンのようなアイテムにしてはどうかという発想から作りました。メンバーと話していく中で、ペンを使わない人でもデザインが可愛くて買ってくれる「ピンズ」を作るのはどうか、と案が生まれました。

CCCの特徴として、現場の社員の裁量権がとても大きい。銀座 蔦屋書店のコンセプトに合った商品を、自分たちでゼロから考え、お客様の反応も実際に肌で感じられる。自分の担当した商品が好評だったときにはとてもやりがいを感じます。 また、販売促進のためのディスプレイのプランなど、売場全体のコンセプトを文具担当のメンバーと提案しあい、空間をつくり、さらにイベント企画も行っています。

お客様を一番知っていること。信頼関係を築くこと。

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形状記憶を活かした 「Origami Cloth」は、世界の名画が折り紙になった眼鏡拭きです。もともとメーカー様の既存商品は、若者向けの真っ赤な色のデザインでした。そこで、銀座 蔦屋書店に来るお客様にはどのような商品だったら刺さるのかを考え、クリムトやゴッホなど、絵画のデザインを提案しました。さらに新しいことにもチャレンジしたく、メーカー様も初めてだという両面印刷にも取り組みました。

私は日本の職人さんが好きで、できる限り日本のメーカー様とものづくりをしたいと思っています。商品開発では、まずはお客様のことをよく知っていること、またメーカー様との信頼関係を築くことが大切です。ただ自分がこれを作りたいと思うだけではなく、銀座 蔦屋書店のコンセプトや、訪れてくれるお客様のニーズに合っているのかということを大切にしています。

わたしが創る未来のライフスタイル

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日本のお客様には、日本の誇れる文化や技術をお伝えできるような商品を、また海外のお客様には、誰かにお土産で渡したくなるような商品を作っています。

地方では蔦屋書店のことをまだ知らない方もたくさんいらっしゃいます。お店とメーカー様との関係はあくまでも対等でありたい。メーカー様には、日本の誇れる技術を、蔦屋書店の集客力を使ってアピールができるということをしっかり伝えていきたいと思っています。

そして、日本の美しいものづくり文化を、世界中の人が知り、体験できる場所をつくりたい。元々、地方を元気にしたい、地方に住んでいる人が楽しめる場所づくりがしたい、という想いで入社しましたが、実際に代官山・銀座で働いてみて、「世界中の人が集まる場所で、日本の地方でつくられているものづくりを提案する」ということも、地方を元気にしたり、各地の文化を伝えることにつながるのだと感じています。