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CCCを世界一の出版グループへ。 出版業界、書店の未来を変えていく挑戦。

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※この記事は2019年時点に書かれたものです。

プロフィール

鎌浦 慎一郎さん 株式会社TSUTAYA BOOKカンパニー 社長

1998年新卒で入社後、TSUTAYA地方支店で勤務。20代は、映像バイヤー、音楽バイヤー、支店長などを経験。九州TSUTAYAにて、2013年に武雄市図書館の立上げの経験。本を中心とした新業態店舗「TSUTAYA BOOKSTORE TENJIN」(2013年)、「福岡市スタートアップカフェ(福岡市からの受託)」(2014年)、「TSUTAYA BOOKGARAGE福岡志免」(2015年)、「六本松 蔦屋書店」(2017年)を企画、出店。2016年より㈱九州TSUTAYAの社長として分社の経験をする。2019年から東京で、BOOKカンパニーの社長を務める。

CCCにしかできない「人とデータベースを活用した生活提案型書店」を全国各地に。

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グループのアセットを活用して「データベースを活用した生活提案型書店」になるという、“CCCにしかできない書店像”を目指しています。
その目標に向けて出版流通改革の口火を切るために、委託販売制が常識となっている出版業界で、雑誌の買切、さらに書籍の買切、そして本の需要予測と発注代行を始めています。業界の利益構造を変えていくような改革です。

雑誌を買い切ると、出版社側は返品がなくなるので、今まで以上に利益が出ます。その利益を書店側にもシェアしてもらおうという取組みです。また売れ残った雑誌は、次号が出るタイミングで値引き販売をする。お客様はお得に商品を得ることができるので、今まで読んでなかった方が購買するようになり、その結果売上も上がります。
1日に1店舗以上の書店が閉店していると言われている中、こうして業界全体の利益率を改善することで、我々は、CCCにしかできない「データベースを活用した生活提案型書店」を全国各地に出店し続け、“お客様と本の出会い”を創出し、お客様の生活が豊かなになる提案をし続けていきます。

「人とデータベースのハイブリッド」AIを活用した需要予測。

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蔦屋書店のコンシェルジュが独自にジャンル設定を行い選書した本が、TSUTAYAの既存店舗で「生活提案」ジャンルという売り場として広がっていっています。例えば「旅」というテーマでは、旅に行きたくなるようなものから、行った後に読みたくなるものまで。このようなお客様の心を動かす提案のある選書は、やはり人にしかできないと思うので、これからもよりコンシェルジュの役割が重要になっていくと考えています。

こうして提案性をもって選書した本の発注において、Tポイントで蓄積された購買データを活用した「クラスタリング発注」を実験中です。現状は、各店の書店員がその店舗ごとのお客様の動向を見ながら発注をしていますが、データだけでその個店毎のライフスタイルに合った品揃えを完成させる挑戦です。AIを使った需要予測の実験を行い始めており、精度も上がってきています。
また、売り場でも、本の提案方法の改革が進められています。これまで以上に「おすすめ」を中心とした売り場展開に変えていくことが非常に大切になってきていますね。

様々な新規プロジェクトの経験を通して。

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自身が参画させてもらったたくさんの新規プロジェクトの中でも、武雄市図書館に関わったことがとても印象に残っています。九州というエリアを担当する立場で、図書館と書店、カフェが融合した公共施設のリニューアル企画を、図書館事業部のメンバーと一緒に手掛けました。

武雄のプロジェクトが本格化したのは、開館まで1年を切ったタイミング。このスケジュールで間に合わせるなんて、当初は絶対に無理だと思いましたが、CCCにはポジティブで、逆境の中でも頑張ってなんとか成し遂げようとするメンバーがとても多い。そんなメンバーたちと、行政の方々との初めての取組みを具現化できたというのは良い経験です。チームでやればできるんだということを体感させてもらいました。
武雄市図書館のように、CCCがチャレンジングな企画をどんどん実現できるのは、面白い人が多いから。そんなメンバーのために、心底楽しいと思えるようなことをこれからもどんどん企画していきたいと思っています。

今はカンパニー社長という立場なので、チームのメンバーには簡単に到達できそうな目標を掲げるのではなく、「CCCを世界一の出版グループにする」という大きなビジョンをしっかり示すことを大切に、日々業務を行っています。

「CCCを世界一の出版グループにしたい」という志のある人へ。

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「TSUTAYA BOOK NETWORK(※)」はお陰様で、日本で一番の書店グループになりました。
CCCグループ内には、本を実際に作る出版社として徳間書店や主婦の友社など、また流通の要である取次には日販さんとの合弁会社である(株)MPDが、さらに実際にお客様に本を届ける現場である書店のネットワークがあります。川上から川下まで一気通貫で手掛けることができる、それがCCCの強みです。実際に世界一を目指すことのできる体制になってきています。

「CCCを世界一の出版グループにしたい」という志のある人に是非入ってきてもらいたいと思っています。「出版業界を変えたい」という反骨心を持った人。また、とにかく本が好きで、本の目利きができるという人は、AIの時代にも重要です。
CCCでは様々な場所で「好き」を極めていくことができます。日本に紙の本の文化を残していくために、きちんと目利きをして本を仕入れ、提案性の高い売り場を作り、しっかり本を売り切っていくということが大事。その中で、コンシェルジュという目利きができる仲間がいることは心強いですね。

※「TSUTAYA BOOK NETWORK」は、「TSUTAYA」「蔦屋書店」店舗チェーンの中で、主に書籍・雑誌販売のフランチャイズとして展開するネットワークの総称

わたしが創る未来のライフスタイル

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私たちBOOKカンパニーのビジョンは「CCCを世界一の出版グループ」にすることです。 そのためのミッションとして、「出版によってすべての人が自己実現する社会」を本気でつくりたいと思っています。

紙の本の市場はこの20年で半分の1.3兆円まで縮小していますが、本は委託販売制であるために、業界全体で年間9,000億円もの返品がある。結果、利益が少ないため、どんどん書店の数が減っています。出版不況の中でも、いまや取扱高が国内No.1グループとなったTSUTAYAが率先して、「書店の未来」を切り開きたい。

将来の子どもたちのために、当たり前に「街に書店がある風景」をつくりたい。 これがやりがいであり、最大のチャレンジだと思っています。