※この記事は、2020年11月時点の情報を掲載しています。
企画会社CCCがこれまで手がけてきた企画の数々。
そんな一つひとつの企画の裏側に隠された、「一人のアイデアがやがて事業へと成長するまでのストーリー」に光を当て、お伝えする「#キカクノキッカケ」。
今回は、ロック好きの若者を中心に多くの人気を集める音楽フェス「ツタロックフェス」を生み出した前田さんのインタビューを、21卒内定者がお届けします!
- 今回のキカク人
- 「やっぱり、音楽やりたいかも。」
- 「レコメンド」には創り出せない「意外性」
- そうして生まれたキカク、「ツタロックフェス」
- 僕らは、アーティストの伴走者
- 不測の事態に見舞われたからこそ感じた、あたたかさ
今回のキカク人
前田 博章さん
2008年、CCCへ中途入社。入社後はTSUTAYAのマーチャンダイザー(以下、MD)として、全国のTSUTAYAへのCDの企画や、仕入れ枚数の設定、プロモーション施策などに携わる。現在、CCCミュージックラボ株式会社に所属。ツタロックフェスの企画・運営を牽引している。
以前は「新宿のTSUTAYAでCDを借りるくらい」だったという前田さん。そんな前田さんが、入社したのちツタロックフェスを立ち上げるまでの経緯、CCCがフェスをする意義について、そしてCCCという会社の「あたたかさ」についてお伺いしました。
「やっぱり、音楽やりたいかも。」
ーー音楽フェスを立ち上げることになる前田さん。やはり、学生時代から音楽は好きだったのでしょうか。
そうですね、音楽は中学生の頃からずっと聴いていました。バンドブームだった高校生の頃は洋楽が好きで、自分でバンドを組んだりもしていました。学生時代はそんな感じでずっと音楽に浸ってましたが、将来それを仕事にしたいとは思っていなかったですね。最初の就職先でも、音楽とは関係のない会社に行きました。でも、働きだしてから「やっぱり音楽したい」という気持ちが芽生えるようになったんです。その気持ちに逆らえず、3年でその会社を辞め、バンド活動を始めました。
それから数年が経過したある時、当時CCCで働いていた知人から、自分たちのバンドのCDをTSUTAYAに置いてもらえる話をいただいたんです。これが僕とCCCとの出会いです。そして、このことをきっかけにその知人は、バンド活動の傍らカフェで働いていた僕をTSUTAYAの音楽部門の社員と繋いでくれることになりました。そんなチャンスがいくつも重なった結果、僕はTSUTAYAで音楽に関する仕事をすることになりました(笑)。
「レコメンド」には創り出せない「意外性」
ー ー冒頭から、なかなか個性的なエピソード!前田さんが入社した後、ツタロックフェスはどのようにして生まれたのでしょうか。
CCCに入社してから10年ほど、僕はMDとして全国のTSUTAYAにCDを何枚導入するのか、どういう展開をするのかを企画する仕事をしていました。でも、音楽業界には次第にCDが売れなくなってしまう時代が訪れました。そんな中、TSUTAYAとしてもCDを売る以外に何か新しいことやっていかなければならないということで、当時の上司が企画制作という新たな部署を立ち上げたんです。この部署の発足によって、CCCは興行事業を本格的に始動させることになります。
僕もメンバーに加わり、音楽フェスを企画することになりました。構想の段階から意識したのは、出演アーティストを「『レコメンド機能』では再現できないような、意外な組み合わせ」にすることです。この「レコメンド」とは、ECサイトで見かける「商品を購入した人へのおすすめ関連商品」のことです。実は僕、あれあんまり信用してなくて(笑)。というよりはむしろ、「その枠を超えて外部から得られる情報の方がずっとおもしろい」と思うんです。
例えば、あるバンドのCDを買った人が絶対に聴かないようなバンドをあえて組み込む。絶対にAIがレコメンドしないようなアーティストを組み合わせる。CCCが持つデータベースと、自分の感性との最高の掛け合わせ、という意外性を意図的に作ることを心がけているんです。TSUTAYAも「このバンド聴いてる人は、実はあのバンドも好きになるかも」って店員さんが独自の感性でおすすめしたりしますよね。あえて予定調和を崩す、意外性を意図したブッキングは今もずっと意識しています。
そうして生まれたキカク、「ツタロックフェス」
音楽の良さと楽しさ、新しい出会いを店頭だけでなく、リアルのライブでも多くのリスナーに提案し、日本の音楽シーンの活性化に貢献したいとの想いで、2014年にスタート。2018年には、2万人の観客を動員した。10代から30代を中心に人気を集める音楽フェスだ。
僕らは、アーティストの伴走者
ーー前田さんは、TSUTAYAがフェスをすることに、どのような意義があると考えますか。
TSUTAYAは「生活提案」を掲げていますが、音楽を生活提案していく上で、フェスというイベントは欠かせないものだと僕は考えています。というのも、僕は店頭はもちろん、フェスという場もお客さまと音楽を繋げるメディアと捉えてるからです。
メディアというのは、アーティストを広めるためにどうすればよいかを常に考えなければなりません。ですので、CDを貸す・売るのと同じように、フェスにおいても、時にはデータベースを手段として活用しながら、より多くのアーティストが活躍できる場を広げられるように、"伴走者"として様々な施策を提案します。
CDを売るのと等しく、アーティストとリスナーを繋ぐ架け橋になること、また、僕らがメディアとしてアーティストのプロモーションの場をつくること、これがCCCがフェスを行う意義だと考えています。
不測の事態に見舞われたからこそ感じた、あたたかさ
ーー前田さんにとってCCCとはどんな会社ですか。
CCCグループのいいところは、とにかく人が優しいってところだと周りがみんな言うんですけど、本当にそうですね。特に、今年3月に開催する予定だったツタロックフェスは、新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止になってしまったんですが、その決断を迫られている時期も、色んな人たちが親身になって話を聞いてくれました。
今年のフェスの開催のためにチームとして割いてきた労力や、多くのお客さまが楽しみにしてくれているという背景を理解してくれた上で、音楽に関係のない部署の人たちも声をかけてくれました。
そういう意味で、CCCは部署間の壁が本当にないなと思いますし、足の引っ張り合いなんかももちろんなくて、親身に寄り添ってくれるあたたかい人たちが集まった会社だと感じますね。
また、ツタロックフェスは、残念ながら開催出来ませんでしたが、新型コロナウィルス禍の中、11月7日に有観客&生配信で開催されたイベント「CUT IN」は、大盛況のうち終演しました!
これからもCCCが持つデータベースと、TSUTAYAならではの感性との最高の掛け合わせ、という意外性を意図的に作って、イベントを盛り上げていきたいと思います。